大腸がん:[がん情報サービス]
大腸がんにかかる割合(罹患〔りかん〕率)は、50歳代から増加し始め、高齢になるほど高くなります。大腸がんの罹患率、死亡率はともに男性の方が女性の約2倍と高く、結腸がんより直腸がんにおいて男女差が大きい傾向があります。
大腸がんの罹患率を追ってみると、1990年代前半までは増加し、その後は横ばい傾向にあります。大腸がんで亡くなる患者さんの割合(死亡率)に関しては、1990年代半ばまで増加し、その後は少しずつ減る傾向にあります。男女とも罹患数は死亡数の約2倍であり、これは大腸がんの生存率が比較的高いことと関連しています。
禁煙プログラムを繰り返す
大腸がんの増加には、主として結腸がんの増加が影響しています。罹患率の国際比較では、結腸がんはハワイの日系移民が日本人より高く、欧米白人と同程度であることが知られていましたが、最近では、結腸がん・直腸がんともに、日本人はアメリカの日系移民および欧米白人とほぼ同じになっています。
大腸がんでは、直系の親族に同じ病気の人がいるという家族歴は、リスク要因になります。特に、家族性大腸腺腫症と遺伝性非ポリポーシス性大腸がん家系は、確立した大腸がんのリスク要因とされています。生活習慣では、過体重と肥満で結腸がんリスクが高くなることが確実とされています。また、飲酒や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)は� �おそらく確実な大腸がんリスクとされています。
解剖学や痛みの生理学
国際がん研究機構(IARC)の評価では、喫煙が大腸がんのリスク要因であるとする科学的根拠は、少なからずあるものの、十分とはいえないとされています。日本人を対象にした疫学研究を系統的に総括した論文(2006年)では、喫煙習慣は、日本人では大腸がんリスクを上昇させる可能性があると結論しています。部位別の判定では、直腸がんについては、リスク上昇の可能性がある一方、結腸がんについては不十分と判定されています。
そのほか、ヘテロサイクリックアミンやニトロサミンなどが、大腸がんのリスク要因である根拠が、限定的または不十分とされています。
働く減量システム
大腸がんの予防要因として、運動による結腸がん予防効果が確実とされています。また、従来「確実」とされていた野菜については、IARCのリポート(2003年)での新しい評価で、「おそらく確実」と変更されました。その主な理由は、最近発表されたいくつかの大規模なコホート研究の結果、予防的な関連が認められなかったことです。また果物は、同年のIARCリポートでは、大腸がん予防の可能性があるとされています。そのほか、可能性あり、またはエビデンス(科学的根拠)不十分な予防要因として、葉酸、カルシウム、ビタミンD、食物繊維摂取などがあげられています。また、非ステロイド消炎鎮痛剤(NSAIDs、アスピリンを含む)とホルモン補充療法が、リスクを減少� ��せる要因としてあげられています。
大腸がんは早い時期に発見すれば、内視鏡的切除や外科療法により完全に治すことができます。少し進行しても手術可能な時期であれば、肝臓や肺へ転移しても、外科療法により完全治癒が望めます。つまり、外科療法が大変効果的です。しかし、発見が遅れると、肺、肝臓、リンパ節や腹膜などに切除困難な転移が起こります。こうした時期では、手術に加え放射線療法や化学療法(抗がん剤治療)が行われます。
手術を受けた後に再発することもあります。術後は定期的に(4〜12ヵ月の間隔)再発チェックのための検査を受ける必要があります。肝臓、肺、腹膜が転移しやすい臓器であり、また、切除した部位に局所再発が起こることもあります。大腸がんはほかのがんとは異なり、 早い時期に再発が見つかれば、再発巣(再発した部位)の切除により完治も期待できます。再発の8割以上は術後3年以内に発見されます。手術後、5年以上再発しないことが完治の目安です。
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