2.心臓弁膜症の原因 | 弁膜症の治療 | 患者様・ご家族の方
心臓を弁膜の高さで水平に切り、その断面を上から見た図です。矢印の"前"とあるのは胸骨のすぐ後ろ側、"後"とあるのは背骨の前にあたります。
僧帽弁狭窄症
僧帽弁狭窄症の原因は主にリウマチ熱です。
僧帽弁は前尖と後尖という2つの弁葉でできていますがリウマチ熱の後遺症としてこの2つの弁葉が癒合して狭くなり狭窄症となります。リウマチ熱の原因が溶連菌によることが判明し、ペニシリンなどの抗生物質がよく効くので小児期に治療が行われ最近はリウマチ熱による僧帽弁狭窄症は少なくなりました。
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僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症も以前はリウマチ熱が原因でしたが、最近では弁膜の結合組織の退行性病変による閉鎖不全が増えてきました。この病変によって弁膜が必要以上に延びて、前尖と後尖がずれて段違いになり、そのずれた部分から血液の逆流がおこります。また前尖や後尖を支えている腱索が延びたり、切れたりしても逆流がおこります。腱索は凧のバランスを保つための糸と同じ働きをしています。
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また細菌感染(感染性心内膜炎)により弁葉が侵されて穴が開いたり、弁葉が一部ちぎれたり、腱索が切れたりして逆流がおこる場合もあります。
大動脈狭窄症
大動脈弁閉鎖不全の原因はリウマチ熱、感染性心内膜炎、生まれつきの2尖弁です。また左心室から大動脈が起始した部分を大動脈基部といいますが、この大動脈基部の拡張や大動脈解離(3層からなる大動脈の一部が解離する)や大動脈瘤によって大動脈弁閉鎖不全がおこります。
鎌状赤血球貧血症はどのように診断された
大動脈弁疾患には冠状動脈疾患が合併していることが多いので、手術前に必ず冠状動脈造影を行って冠状動脈狭窄の有無を調べます。
三尖弁狭窄症
三尖弁狭窄症は主に生まれつきの心疾患です。
三尖弁閉鎖不全はリウマチ熱でもおこりますが、主として僧帽弁疾患より二次的におこります。
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