糖尿病の検査|糖尿病 克服術
糖尿病の検査に関するQ&A
- 一般の健康診断で、糖尿病の早期発見はできるのですか?
- 尿に糖が出ていないのに、糖尿病だといわれました。どういうことですか?
- 健診で尿に糖が出ているといわれましたが、精密検査の結果糖尿病ではないと言われました。どういうことですか?
- 糖尿病の精密検査とは、どのような検査のことですか?
- 「FBS」という略語が医師のカルテに記載されていましたが、どういう意味ですか?
- 医師のカルテに「OGTT」とかかれていました。何の略ですか?
- 血糖値はいくつぐらいだったらいいのですか?
- ヘモグロビンA1cとは何ですか?
- ドックでの採血の結果、ヘモグロビンA1cが4.5%でした。私に糖尿病の心配はないでしょうか?
- ドックでの採血の結果、ヘモグロビンA1cが6.5%でした。私に糖尿病の心配はないでしょうか?
- ドックでの採血の結果、ヘモグロビンA1cが5.6%でした。私に糖尿病の心配はないでしょうか?
- 最近10年間、身体を調べたことがなかったのですが、ドックを受けるとヘモグロビンA1cが13.9%もありました。私はいつの間に糖尿病にかかっていたのでしょうか?
- 健診で調べた血糖値が122mg/dlもあるために、糖尿病の疑いありと言われました。ところが、ヘモグロビンA1cを調べると4.
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(1)一般の健康診断で、糖尿病の早期発見はできるのですか?
一般の健康診断は、肝機能や腎機能のチェックには優れていますが、糖尿病のチェックにはやや不十分です。起床以後、食事をしないで空腹時の採血を行いますが、その状態での血糖値が正常でも、実は食後に急に血糖値が高くなるというタイプの糖尿病も多いからです。また、検尿で糖が出ていないかどうかもチェックしますが、血糖値が160mg/dl以上にならないと、尿中に糖は現れません。朝の血糖値が160mg/dl以下でも食後に血糖値が異常にあがるため、糖尿病になっている人は大勢います。
まとめると、ひどい糖尿病を発見することは容易ですが、微妙な段階での糖尿病の発見には一般の健診はそれほど有用ではありません。 採血項目に、ヘモグロビンA1cがあれば、早期発見に有用です。
(2)尿に糖が出ていないのに、糖尿病だといわれました。どういうことですか?
よくあることです。尿に糖が出るのは血液中の糖濃度が160mg/dlを超えるときです。ところが、実際には早朝空腹時の血糖値が140mg/dlを超えれば、もう糖尿病と診断できるのです。このギャップのために、尿糖は出ていないのに、実は糖尿病だった、という事態は起こります。
また、早朝空腹時の血糖値は90mg/dlと低いのに、朝食を食べると血糖値がいきなり300mg/dl以上にも上昇する人がいます。そのような人も尿糖は出ていないのに、糖尿病だった、ということになります。
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(3)健診で尿に糖が出ているといわれましたが、精密検査の結果糖尿病ではないと言われました。どういうことですか?
尿に糖が出た原因が二つ考えられます。
1つは検査の前になにか食べてしまったために、血糖値が160mg/dl以上に上がってしまって、その結果、尿に糖が出たというものです。そして精密検査では、「たしかに血糖値が160mg/dl以上にあがるが、200mg/dl以上にはあがらなかった」というような結果なら、糖尿病ではない、と言われます。ただし、糖尿病予備軍ですから、将来のことを考えると油断はできません。
もう1つは腎性糖尿病の場合です。これは血糖値が高くないのに、腎臓の都合で糖が尿の中に漏れ出すというタイプです。この場合は、まったく心配する必要はありません。
(4)糖尿病の精密検査とは、どのような検査のことですか?
経口糖負荷検査のことです。炭酸水に溶かした75gのグルコースを一気に飲み干してもらい、その後30分〜1時間ごとに採血して、血糖値の変動を調べます。2時間たったときの血糖値が200mg/dlを超えていたら、即座に糖尿病と断定できます。また、2時間後の血糖値が140mg/dlを超えていたら、境界型糖尿病と診断されます。
(5)「FBS」という略語が医師のカルテに記載されていましたが、どういう意味ですか?
「Fasting Blood Sugar」の略です。早朝空腹時血糖値、つまり、朝起きてまだ飲み食いする前の血糖値です。ただし、真水やお茶は飲んでもいいことにしています。
(6)医師のカルテに「OGTT」とかかれていました。何の略ですか?
「経口糖負荷検査」のことです。
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(7)血糖値はいくつぐらいだったらいいのですか?
血糖値は、常に変動しています。甘いジュースを飲むと、血糖値はあっという間にあがりますし、食後3〜4時間後ぐらいには、かなり低くなってきます。 したがって、厳密には、「いついつの血糖値がいくらぐらいだったらいいのですか」という質問にしてください。起床後、何も飲み食いしないときの血糖値は、110mg/dl以下がいいでしょう。理想的には95mg/dl以下がいいです。 食後の血糖値なら、160mg/dl以下がいいでしょう。理想的には、150mg/dl以下がいいかもしれません。 また、いくら低くなっても60mg/dl以下になってはいけません。
(8)ヘモグロビンA1cとは何ですか?
採血で調べる血糖値の指標です。血糖値は毎時間変動しています。この変動する血糖値の、最近1ヶ月の平均レベルを反映しています。厳密には、2〜3ヶ月前の数値も一部反映します。単位は%です。普通の人は4.3〜5.2%の範囲におさまっています。血糖値が高ければ、この数値は上昇します。漠然とした数値ですが、糖尿病の早期発見や糖尿病の治療状態を知るのに、非常に便利な検査項目です。
(9)ドックでの採血の結果、ヘモグロビンA1cが4.5%でした。私に糖尿病の心配はないでしょうか?
将来のことはわかりませんが、今のところ糖尿病の心配はありません。
(10)ドックでの採血の結果、ヘモグロビンA1cが6.5%でした。私に糖尿病の心配はないでしょうか?
あります。早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上なら、糖尿病であると確定しますが、それ以下なら、精密検査(経口糖負荷検査)を受けてください。
(11)ドックでの採血の結果、ヘモグロビンA1cが5.6%でした。私に糖尿病の心配はないでしょうか?
あります。ヘモグロビンA1cの正常値は、一般に5.8%以下と言われていますが、理想値は、5.2%以下です。「正常値だけれど理想値ではない」という状態です。念のため、経口糖負荷検査(糖尿病の精密検査)を受けたほうがいいでしょう。
(12)最近10年間、身体を調べたことがなかったのですが、ドックを受けるとヘモグロビンA1cが13.9%もありました。私はいつの間に糖尿病にかかっていたのでしょうか?
ヘモグロビンA1cが13.9%もあるのなら、それ以上ひどい人はめったにいないというほどの重症型の糖尿病です。10年前は異常なしといわれていたのなら、ここ10年間のいつかにかかったのです。ヘモグロビンA1cが13.9%もある重症の糖尿病なら、喉が渇く、尿量が多いなどの症状があるはずです。その症状が出た頃に発症したのでしょう。眼底などを調べて異常がなければ、ここ3〜4年以内の発症といえるでしょう。
(13)健診で調べた血糖値が122mg/dlもあるために、糖尿病の疑いありと言われました。ところが、ヘモグロビンA1cを調べると4.9%程度で、糖尿病の心配はないと言われました。どのように解釈したらいいのでしょうか?
「早朝空腹時の血糖値が高いのですが、食後の血糖値はあまりあがらないおかげで、平均血糖値は高くない」というふうに解釈されます。採血で調べた血糖値はその瞬間の血糖値を示します。一方でヘモグロビンA1cはここ1ヶ月の平均血糖値を反映します。したがって、質問のような「血糖値とヘモグロビンA1cの解離」が生まれることがあります。
(14)毎年の健診で調べている限り、「異常なし」と言われていたのですが、先日、人間ドックを受診すると「糖尿病」と記載されていました。どういうことなのでしょうか?
毎年の健診では、空腹時の血糖値しか測定されていなかったのでしょう。空腹時の血糖値が正常でも食後の血糖値が高くなりすぎるタイプの糖尿病もあります。人間ドックでは、経口糖負荷検査を行ったのでしょう。その結果、75gの糖を飲んだ後(糖負荷後)の血糖値が以上に高くなり、2時間たってもまだ200mg/dl以上あったので糖尿病と診断されたのです。
(15)糖尿病で通院しています。毎月採血や検尿を行っていますが、一体何をチェックしているのですか?
血糖値、ヘモグロビンA1c、尿糖、尿タンパクを調べています。血糖値は採血した瞬間の血液中のブドウ糖濃度、ヘモグロビンA1cは最近1〜3ヶ月の平均血糖レベル、尿糖は、ここ数時間に血液中から尿への漏れ出しがなかったどうか、尿タンパクは腎障害が起こっていないかを調べています。
また、糖尿病患者はコレステロールや中性脂肪、尿酸値が高くなりやすいので、同時にチェックしています。
(16)フルクトサミンとは、何を調べる検査なのですか?
フルクトサミンは過去2週間の血糖値の状態を反映します。
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